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台湾映画『返校 言葉が消えた日』はゲーム未プレイでも楽しめるか?怖い?キャストやストーリーは?

『返校 言葉が消えた日』を公開終了ギリギリに見てきた。

今回は多分ネタバレなし(公式サイトに掲載されている内容程度)の情報をまとめてみた。ゲーム未プレイでも楽しめるか?怖がりでも大丈夫か?と迷いつつ見に行ったのでそれについてもレポート。

映画『返校』基本情報

作品情報

英題Detention
ジャンルホラー
公開年2019年(日本公開2021年)
製作国台湾
上映時間102分
監督徐漢強(ジョン・スー)
キャスト王淨(ワン・ジン)
曾敬驊(ツォン・ジンファ)
傅孟柏(フー・モンボー)
蔡思韵(チョイ・シーワン)ほか
外部リンク台湾|公式Facebook
日本|公式サイト
日本|公式Twitter

40年も続いた〈白色テロ時代〉を描いた作品は、1989年にホウ・シャオシェン監督の『悲情城市』、1991年にエドワード・ヤン監督の『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』以降途切れていたけど、台湾人の負の歴史を取り入れ大ヒットしたホラーゲームを基に長編映画初作品となるジョン・スー監督がメガホンを取る。

主題歌

オリジナル楽曲「光明之日」(作詞:雷光夏 作曲:盧律銘、雷光夏)は2019年の金馬奨にて主題歌賞を受賞。耳にも心にも残る曲で映画の余韻を思い出す。

評価

受賞歴

  • 2019年度台湾映画興行収入No.1
  • 第56回金馬奨12部門ノミネート(最優秀新人監督賞、最優秀脚色賞、最優秀視覚効果賞を含む最多5部門を受賞)

レビューサイト評価 ※2021年8月現在

  • ロッテン・トマト:批評家評価85%肯定的(批評家33名と少ないけど)
  • Filmarks:☆3.7
  • Yahoo!映画:☆3.71

まずまずの点数なのでは?と思う。評価が低い方のコメントを見ると、原作がゲームだということを知らなかった方や、シンプルにホラー映画を見に来たつもりで肩透かしにあったという方が多い印象。

ストーリー

1962年の独裁政権のもと国民のあらゆる自由が制限されていた台湾が舞台となっている。ある高校で政府が禁止する本を密かに読む読書会が行われていた。

放課後の教室で、いつの間にか眠っていた女子学生のファン・レイシン(ワン・ジン)が目を覚ますと、学校は人の姿が消えてまるで別世界のような奇妙な空気に満ちていた。

読書会のメンバーであるウェイ・ジョンティン(ツォン・ジンファ)と出会い、学校から脱出しようとするが外へ出ることができない。

悪夢のような光景が次々と待ち受ける中、政府による暴力的な迫害事件と、その原因を作った密告者の哀しくも恐ろしい真相に近づいていく──

映画を見る前に知っておくべきポイント

この2点を押さえておかないと、少し驚くこともあるかもしれない。

国際的に評価の高い台湾インディーゲームの映画化

本作は台湾の赤燭遊戲が開発し2017年に配信したホラーゲーム『変校-Detention-』を映画化した作品。北米や欧州などにも配信されていることから、国際的に評価が高いゲームだということが窺える。

ゲームやアニメ作品を実写化すると懸念が大きいんだけど、監督が元々ゲーム発売日にプレイする程のファンということもあり、ゲームに出てくる演出が映画内に散りばめられている細かい演出にかなりリスペクトを感じる。

「現在の台湾が享受している自由は,過去に白色テロという時代を経て,やっと得られたものである」という部分は,ゲームをプレイした人の心を強く動かした点なので,映画でも表現してほしいと要望をもらっていました。私もまったく同感でしたし,映画を作るうえでの指針にもなっています。

4Gamer.net 監督インタビュー

ゲームのプロデューサーを務めたヤオ・シュンティンさんが映画での好きなシーンはラストシーンだと言っていたことからも、双方を評価し合っているように思う。

白色テロ時代を描いたダークミステリー

台湾では二・二八事件が起きた1947年以降、戒厳令が敷かれ、蒋介石率いる国民党が反体制派に対して政治的弾圧を行った。国民に相互監視と密告が強制され、多くの人々が投獄、処刑された〈白色テロ時代〉が40年も続いた。本作ではその時代背景がある。

怖がりなのでホラー映画のみだと見ないんだけど笑、興味を持つに至ったのは台湾で本当にあった時代を題材にしていたこともあり知りたいと思った為。

シンプルなホラー映画が見たいという人にとっては「あれ?」と思うかもしれないので、そういった要素がある点も踏まえておこう。

登場人物

方芮欣(ファン・レイシン)

18歳。翠華高校3年愛組の生徒。

家庭の崩壊と学校での抑圧により、誰にも相談出来ず揺れ動く時期を迎える中、生活指導教師チャン・ミンホイの目が向けられることをきっかけに好意を抱き、人生が大きく変化していく。

ファン・レイシンを演じるのは、女優で小説家の王淨(ワン・ジン)。この美貌で14歳で小説家デビューしてるらしくビックリ。めちゃくちゃ可愛い。

王淨Instagram:_ginglebellaaa

知的でミステリアスな雰囲気がぴったりで、後輩の男の子に憧れられつつ年上男性からも想われる役がとても分かりみ。

キャスティングについて、ヤオプロデューサーは「オリジナルキャラクターと違いが出すぎないように」リクエストをしたといい、ゲームのメインキャラクターのファン・レイシン役は、ブリジット・リンのような浮世離れした女性を見つけて欲しいと願っていたという。そんな要望に監督はほぼ一年を費やしてワン・ジンを発掘する。「年齢にそぐわないほど早熟で複雑な精神を持っていた」というゲームのキャラクターにそっくりな彼女を見て、ヤオプロデューサーも納得したという。

オリコンニュース

魏仲廷(ウェイ・ジョンティン)

17歳。翠華高校2年仁組の生徒。

気配りができる真っすぐな人柄。頭の回転の速さに注目したイン先生に誘われた読書会で生き生きと活動し、自由主義のチャン先生の様になりたいと思っている。接点のなかった先輩のファン・レイシンに一目惚れするも、話しかける勇気は出せずにいた。

ウェイ・ジョンティンを演じるのは、莫大な応募数のオーディションを勝ち抜き、映画初出演となる曾敬驊(ツォン・ジンファ)。初々しさのせいか、当時を生きていた等身大の男の子っぽさが出ていて良かった。

曾敬驊Instagram:jhtseng13

張明暉(チャン・ミンホイ)

28歳。翠華高校の生活指導教員で美術教師。

責任感に満ち、自由を求める思想活動に身を投じる。志を共にする教師のイン先生と読書会を組織し、少数の生徒を集め、政府が広めることを禁じた書物を読むことを薦める。ファン・レイシンの生活指導を引き受ける中で、レイシンの聡明さと思慮深さに惹かれ、教師と生徒の関係でありながら想いを抑えられない。

チャン先生を演じるのは傅孟柏(フー・モンボー)。ゲームでは描かれていない人柄やエピソードが肉付けされていて、雰囲気も体格もかっこいいし、気付けば、

IMO

好きーーー!!!

日本に留学していたこともあるらしいチャン先生。時代が違えば会えたのに。(会えません)

傅孟柏Instagram:fumengpaul

殷翠涵(イン・ツイハン)

26歳。翠華高校の歴史教師で3年愛組の担任。

リスクを恐れず行動する、リーダー気質の女性。裕福な家庭に育ったため、子供の頃から視野が広く、人を見る目がある。母校が戒厳令の恐怖の下に抑圧されているのを目にし、家族の反対にも関わらず、翠華高校で教師となって積極的に同志を探し、同僚教師のチャン・ミンホイと読書会を組織する。

イン先生を演じるのは蔡思韵(チョイ・シーワン)。美人だし勇敢だしチャン先生とは同世代だし志しも同じだし、並ぶとヤキモチわく気持ち分かるよレイちゃん。

スッピンでも透明感があって綺麗な女優さんだなぁ。

蔡思韵Instagram:ceciliachoii

バイ教官

翠華高校に常駐する国民党の教官。

相手が学生であっても、反政府分子やスパイを徹底的に取り締まる。レイシンの父親と懇意。

朱宏章(チュウ・ホンジャン)が演じる。

黃文雄(ホアン・ウェンション)

17歳。翠華高校2年忠組の生徒。

大人っぽく、世の現状に憤りを覚えているところがある。読書会では兄貴分的な役割で、会に危険が及ばないよう力を尽くしている。臆病で勉強嫌いで布袋劇人形で遊んでばかりいるションジエの読書会参加は、情報漏れの元になると考えて反対した。

李冠毅(リー・グァンイー)が演じる。

游聖傑(ヨウ・ションジエ)

16歳。翠華高校2年仁組の生徒。

気が小さく、温厚で素朴。人との衝突を恐れる。布袋劇との出会いで、刀剣煌く伝統劇の世界に心酔しているが、家でも学校でも布袋劇は禁じられていて、読書会で遊ぶしかないため読書会を大切にしている。

潘親御(パン・チンユー)が演じる。

見るか迷っている方へ

ゲーム未プレイでも楽しめるか?

個人的には、ゲーム→映画が良いと思う

結論から言うと、ネタバレが極端に嫌な人以外はゲームの内容を見ておいた方が良いと思う。

ゲームは謎解き要素なので小道具が出てくるけど、映画ではそれが上手く散りばめられていて、ゲームを知っていれば「お!」となり、逆にゲームしていないと特に意味のない小道具となる。

ゲームの横スクロールと同じ演出があったりするのも見どころ。

公式Facebook

ゲームしなくてもゲーム実況を見ればバッチリ

普段ゲームしないしなぁ…という人は、YouTubeに頼れば気軽にゲーム実況を見る事ができる。私もこちらを見てから映画館に向かった。

サムネイルは怖いけどw、声優さんが明るく実況してるので怖がりでも見れて有難かった。あと、こちらは丁度良い事にノーマルエンドでプレイしている実況なので、映画の終わり方と違う点も良かった。

ゲーム実況を見る(ノーマルエンド)→映画を見る→見終えた後に別のゲーム実況を見る(トゥルーエンド)、という流れで見たけどおすすめ。この後にもう一度映画が見たくなったけど、もう近所では公開終了してしまった…。映画とゲームが交互に見たくなる魅力的な関係性。

怖がりでも見れるか?

怖がりと自覚している人なら怖い笑。普段からホラーが好きな人はそんなに怖くないと思う。

映画の前半は突然ドーン!と出てきたりする。そして台湾ホラーらしく不気味な描写が多い。

ちなみに私は動物的勘でドーン!の0.5秒前に少し視線を外し真っ正面から見ない事に成功した。我ながらすごいと思う笑

ただこの映画は果たしてホラー映画なんだろうか?

ミステリー要素、歴史的な背景、少しラブストーリーも混じっていて、ホラーを怖がる以上にストーリーを楽しんで後からしみじみ浸ったり、歴史を調べたりできる映画だなと思ったので、怖がらずに是非見てほしいなと思った。